COLUMN歯科コラム

アマルガムの危険性

2018.02.18

お口の中にアマルガムはありませんか?

おもに虫歯治療の為、歯に充填される歯科治療材料です。

アマルガムは健康保険の適応材料として認定されており、一般的に使用されてきました。

広く普及されていたアマルガムですが、70年代をピークに近年では使用料は減少されています。

現在でも医院によっては使用される場合があるようですが、アマルガムの安全性を疑問視する声も上がっています。

 

アマルガムには銀、スズ、銅、亜鉛、水銀などが含まれる合金です。

水銀が高濃度で含まれています。

アマルガムはお口の中で劣化し、腐食しやすい傾向があるため、人体に影響を及ぼすおそれがあります。

アマルガムが腐食するのは、唾液が電解液として作用するからです。その他には、果物、野菜、コーヒー、お茶などの酸も化学反応を引き起こす要因となります。

また、アマルガムは物を噛む際など、摩擦が生じた時に、その熱で水銀を含んだ蒸気を発生するとも言われています。その結果として、水銀の粒子や蒸気が、体内に流失し、自覚のないままに吸収され、腎臓、肝臓、脳などに蓄積される可能性があります。

アマルガムの歴史は古く、かつてはほとんどの歯科医院で一般的に使用されていました。

手軽で、使いやすい材料ではありますし、水銀が神経に作用されるため、痛みを吸収してくれる役割があることも確かです。昔、生薬としてよくつかわれていたいわゆる赤チンも痛みを抑えるために、水銀が含まれていましたが、水銀の害を懸念して現在では使用されることはありません。歯科でのアマルガムの使用の減少もちょうど同じ時期にあたります。昔の日本の歯科医療では、痛くなってから、歯科医院へ行き、悪い部分を削る、または抜くのが主流でした。そのような時代には、安価で痛みを抑えるアマルガムは適した材料であったことでしょう。しかし、そのような処置を続けることは、お口の健康にとっても、望ましいものではありません。削って抜くことの繰り返しでは、自信の歯を失うことになってしまうからです。現在では、厚生省の展開する8020運動に代表されるように、いかに健康な歯を長く保てるかが重要になっています。しかし、自信の歯を保つためにもアマルガムは適した材料とは言えません。

 

アマルガムは固まりやすく、溶けやすい材料です。その為、処置が手軽にできるという利点があります。ただそれは、お口の中にとっては欠点にかわります。熱いお茶などを飲むと、溶けてしまう為、どんなに上手に処置しても、辺縁から形が変わってしまうからです。そのようにしてできたすき間から、せっかく治療した虫歯が再発してしまう率が高くなります。これを二次カリエスといいます。しかも実際には二次カリエスになっているにもかかわらず、水銀が痛みをおさえてしまうため、本人が気がつかないことが多いのです。痛いと思った時には、かなり虫歯が進行していて、残念ながら、歯を抜かざるおえなくなることが多々あります。

 

またアマルガムは、お口の美しさ、審美的な側面から見ても、問題がある材料です。アマルガムを詰めた部位が黒ずんだ銀色で目立つのはもちろんですが、歯や歯茎の色まで変色させる場合があるのです。アマルガムの成分が溶け出して、歯髄、歯面から、組織に着色因子がとりこまれて起こるもので、このような場合は、著しく黒ずんでいるのが特徴です。

 

水銀、金属アレルギー、二次カリエス、歯と歯茎の変色など、さまざまな問題を抱えるアマルガムですが、最近ではそれに代わるさまざまな材料が開発され、使用されています。これから、アマルガムを使用しないことはもちろん、現在お口の中に、アマルガムがあるならば、それを除去し、より安全な材料い変えることをおすすめします。

 

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